無機化学特論Ⅲ 
142-F-713

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
稲熊 宜之 教授
安仁屋 勝 講師
興野 純 講師
高橋 嘉夫 講師
2 D/M 集中(通年)

授業概要

 学内の教員に加えて、次の三人の講師により開講される。三人の講師による講義は集中講義形式で行い、分子地球化学、物質の構造と相転移の基礎と地球惑星科学との関連、構造不規則物質の科学までを学ぶ。
 
・高橋 嘉夫 講師「分子地球化学:元素の化学種から理解する環境・資源・地球史」
放射光を用いたX線吸収分光法などの発達により、環境中の物質循環、地球表層での元素の濃集機構(=資源)、地球の歴史の解明などにおいて、原子・分子の相互作用に基づく機構解明が可能になってきている(分子地球化学)。本講義では、地球化学的にみた元素の性質や元素同士の相互作用に立脚することで、環境・資源・地球史などがどのように理解できるかを述べる。
 
・興野 純 講師「物質の構造と相転移:基礎から最前線まで」
物質の構造は,圧力,温度,光照射,磁場などの外的要因によって相転移する.物質の性質は物質の電子状態によって決められ,その電子状態は物質の構造によって決定される.そのため,分子や結晶の対称性および対称性変化の要因,メカニズムを知ることは,物質の性質を理解する上で非常に重要である.本講義では、結晶学の基礎を概説し,物質の構造変化を研究する上で有効な手法であるX線回折法およびラマン分光法について解説する.さらに,地球惑星科学の最近の研究トピックスからいくつか紹介する.
 
・安仁屋 勝 講師「不規則物質科学への入門」
物性科学で扱う物質は多くの場合、結晶である。しかし近年、液体やガラス、更にはソフトマターなど、不規則な構造を有する系の科学が大きく進展し、物性科学で扱われる物質の幅が著しく拡大した。本講義では、これらの物質への導入として、構造不規則系の分野で用いられている基礎的事項を初学者向けに解説する。また、構造不規則物質が示す物性のいくつかの事例について紹介する。

到達目標

分子地球化学、物質の構造と相転移、構造不規則物質の科学を中心に学ぶことにより、大学院レベルの無機化学、そしてさまざまな無機化学との境界分野の基礎を固めることができる。

授業計画

1 元素の性質の違いと地球化学的分類
2 X線吸収分光法を用いた地球化学試料中の元素の化学種解析
3 化学種解析に基づく大気化学、海底資源化学、環境放射化学
4 化学種解析に基づく同位体分別の理解と地球史研究
5 結晶学の基礎
6 X線回折法と結晶の対称性
7 分光法と分子の対称性
8 相転移の種類とメカニズム
9 アモルファス物質の構造
10 乱れた系の電子論
11 アモルファス半導体、イオン導電性ガラス
12 過冷却液体と緩和現象

授業方法

集中講義の形式で行う。参考文献を適宜示す。

準備学習

講義の中で示された参考文献を読むことにより、講義内容の理解を深める。

成績評価の方法

レポート:70%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):30%

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。