アーカイブズ・マネジメント論研究Ⅰ
記録管理法制論―
13B-F-009

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
早川 和宏 講師 4 D/M 通年 6

授業概要

 本講義では、アーカイブズに関わる法制度を学ぶ。旧来、アーキビストは歴史のエキスパートであることが求められる一方、必ずしも法に精通している必要はなかったと思われる。しかし、分野を問わずコンプライアンスの重要性が認識された今日、国民や利用者から信頼されるアーカイブズを構築する上では、法的知識が不可欠といっても良い。そこで、講義の第一の目的は、アーカイブズに関わる現行法制度に関する正確な知識を身につけることに置く。
 また、アーキビストには法的知識のみならず、法的思考力を備えていることが求められる。2011年4月に全面施行された「公文書等の管理に関する法律」は、基本的には国の政府に関わるものではあるが、その考え方は広く地方公共団体にも及ぶ。国の法律をまねするだけではなく、当該地方公共団体の現状に合致する形で公文書等を管理するためには、どのような制度を構築すればよいのか?その答えは、法的知識から導き出すことはできない。法的知識を前提とした、法的思考力を備えることにより、法制は「覚えるもの」から「創造するもの」へと変化する。そこで、講義の第二の目的は、アーカイブズに関わる法制度を創造する能力を身につけることに置く。

到達目標

アーカイブズに関わる法制度の全体像につき,具体的イメージを持てるようになる。
アーキビストの業務を,法的観点から基礎づけ,実践できるようになる。
アーカイブズに関わる法制度を,創造できるようになる。

授業計画

1 アーキビストと法制度Ⅰ ~アーキビストが法を学ぶ意味~
2 アーキビストと法制度Ⅱ ~法的思考の基礎知識~
3 アーキビストと法制度Ⅲ ~公文書館の法的位置づけ~
4 アーキビストと法制度Ⅳ ~公文書館の任務~
5 アーキビストと法制度Ⅴ ~公文書館の権限~
6 アーキビストと法制度Ⅵ ~公文書館と諸法との関係~
7 アーキビストと法制度Ⅶ ~法の形式と効力~
8 アーキビストと法制度Ⅷ ~法令解釈の作法~
9 公文書管理法Ⅰ ~1・2章~
10 公文書管理法Ⅱ ~3・4章~
11 公文書管理法Ⅲ ~5・6章~
12 公文書館法 ~成立の経緯と逐条理解~
13 公文書館条例Ⅰ ~任意の2条例から~
14 公文書館条例Ⅱ ~任意の2条例から~
15 自主研究
16 公文書館条例Ⅲ ~任意の2条例から~
17 国立公文書館法Ⅰ ~国立公文書館法・ガイドライン~
18 国立公文書館法Ⅱ ~利用規則~
19 国立公文書館法Ⅲ ~審査基準~
20 情報公開法制Ⅰ ~制度理解~
21 情報公開法制Ⅲ ~基本判例~
22 個人情報保護法制Ⅰ ~制度理解~
23 個人情報保護法制Ⅲ ~基本判例~
24 公文書管理条例Ⅰ ~論点整理1から7~
25 公文書管理条例Ⅱ ~論点整理8から14~
26 公文書管理条例Ⅲ ~個別条例の検討~
27 著作権法等Ⅰ ~著作権制度の概要~
28 著作権法等Ⅱ ~著作権の制限~
29 著作権法等Ⅲ ~個別事案の検討~
30 自主研究
受講生の理解度に応じて進度を調整しますので、本講義で初めて法律学に触れるという方もご安心ください。

授業方法

最初の8回は講義形式を用いるが、それ以降は基本的に報告者を指名する。報告者は、事前に指示する文献等にあたり、レジュメを作成すること。レジュメに基づいた報告に対し、受講生全員で議論をすることにより理解を深めたい。

準備学習

報告者になっていない回においても,事前配布資料を読み,2つ以上の質問を考えてくること。

成績評価の方法

レポート:50%(着眼点、論理性、文章力など)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%(報告の資料・内容・質疑応答への対応、積極性など)
報告,レポートを総合的して評価する。なお,受講者が少なく,報告回数が多くなる場合については,報告のみで成績評価をすることも検討する。
博士前期課程学生については博士前期課程科目の基準により、博士後期課程学生については博士後期課程科目の基準により成績を評価する。

教科書

教科書は指定しない。適宜資料を配布する。

参考文献

適宜指示、配布する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

第1回目の講義で報告者を指名するので、必ず出席されたい。講師への連絡方法は、第1回目の講義で指示する。なお、講義で取り上げてほしい法律・条例等があれば気軽に申し出てほしい。できるだけ、要望に添えるようにしたい。