ドイツ語史特殊研究
ナチ・ドイツにおける言語統制―
135-F-612

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
高田 博行 教授 2 D/M 第2学期 2

授業概要

本授業では、ドイツ語史上のナチ・ドイツ時代に焦点を当て、言語というものがいかにして政治体制の維持・強化のために統制され利用され得たのかについて考察する。特に、開戦後に国民啓蒙宣伝省秘密会議で決定された言語表現に関わる統制方針に注目し、その特徴を記号論と言語学と修辞論の見地から分析する。

到達目標

古今東西を問わず遍在する為政者による言語統制を具体的に分析することによって、(まさに今現在も行われている)言語の政治的利用について批判的に考察する視点を獲得すること。

授業計画

1 導入
2 国民啓蒙宣伝省とプロパガンダ
3 文字メディアによる言語操作:新聞、ポスター
4 音声メディアによる言語操作:ラジオ
5 パーフォーマンスとしての演説
6 スローガンによる人心の捕捉
7 価値判断を下すことば
8 指令することば
9 行政のことば
10 イデオロギーが充填されたことば
11 幻惑させることば(誇大語法と婉曲語法)
12 誘導することば(対比法と仮定法)
13 視覚化することば(メタファー)
14 総括
15 予備日

授業方法

Girnth (2015) に書かれた言語の政治的使用に関する論述を読んだあと、Boelcke (1966) に翻刻されている国民啓蒙宣伝省秘密会議記録から言語統制に関わる発言を抽出する。そしてその言語統制の具体的な現れを、Schmitz-Berning (2000)に収集された語彙・表現に探る。

準備学習

授業で取り上げるテクストを事前によく読み込み、要点整理をしておくこと。

成績評価の方法

平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):100%
博士前期課程の学生と博士後期課程の学生は、それぞれ別の基準で評価する。

教科書

Boelcke, Willi (Hrsg.), Kriegspropaganda 1939-1941. Geheime Ministerkonferenzen im Reichspropagandaministerium., Deutsche Verlags-Anstalt, 1966
Girnth, Heiko, Sprache und Sprachverwendung in der Politik., 2., überarbeitete und erweiterte Auflage Edition, de Gruyter, 2015
Schmitz-Berning, Cornelia, Vokabular des Nationalsozialismus. , de Gruyter, 2000

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。