※日本文学演習
『承久記』を読む―
133-F-014

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
大津 雄一 講師 4 D/M 通年 4

授業概要

承久3年(1121)に起こった承久の乱は、王が臣下に敗北するという前代未聞の内乱でした。これによって王朝政治体制の衰退は決定的となります。乱後の1230~40年代に『保元物語』『平治物語』『平家物語』『承久記』がほぼ同時に成立したことは、この乱と無関係ではありません。本授業では、慈光本『承久記』を中心に、『承久記』のその他諸本、さらには関連する他作品を広く読む事によって、この乱の衝撃的な結果をこの国の人々がどのように言説化して消化したのかを検証し、軍記物語の基本的な構造を明らかにします。

到達目標

中世の歴史的テクストに関する知識を獲得し、それらを読解する基本的な能力を高める。さらに、この国の歴史叙述の特質を理解し、過去の出来事がどのように物語化され歴史として定着するかを知る。

授業計画

1 授業ガイダンス
2 『承久記』についての基礎知識および関連する諸作品についての講義。
3 慈光寺本『承久記』「序」(新古典文学大系『保元物語 平治物語 承久記』の小見出しによる)についての報告と討議。
4 同「世界の中の本朝の歴史」~「上代のの兵乱」についての報告と討議。
5 同「保元の乱」、「源平の合戦」についての報告と討議。
6 同「頼朝・頼家・実朝の死」についての報告と討議
7 同「義時の野望」、「後鳥羽院の性格と言動」についての報告と討議。
8 同「発端―長江庄問題」、「公卿僉議・卿二品の発言」についての報告と討議。
9 同「秀康、胤義を語らう」についての報告と討議。
10 同「京方、合戦の準備」~「広綱と光季」についての報告と討議。
11 同「光季側、応戦の準備」、「合戦に関する占卜と賛否両論」についての報告と討議。
12 同「光季側、応戦の準備」ついての報告と討議。
13 同「討手押寄せる」~「光季の自害」についての報告と討議。
14 同「秀康院に報告する」~「政子武士達を説得する」についての報告と討議。
15 同「義村、義時に就く、押松逮捕される」~「武将達義時に忠誠を誓う」についての報告と討議。
16 同「鎌倉方、軍の僉議」、「鎌倉勢発向、押松追い返される」についての報告と討議。
17 同「押松の復命」~「海道の防衛軍」についての報告と討議。
18 同「鎌倉方、玄蕃太郎を討つ」ついての報告と討議。
19 同「秀澄、山田次郎の提言を退ける」、「山田次郎の斥候達の活躍」についての報告と討議。
20 同「時房の軍議、武田・小笠原の去就」、「武田・小笠原大井戸を渡す」についての報告と討議。
21 同「大井戸の攻防戦、蜂谷三郎の奮戦」~「京方諸所での戦いに敗れる」についての報告と討議。
22 同「京方の敗北京に報ぜらる」~「敗将達の最期」についての報告と討議。
23 同「泰時入京し、義時に指示を仰ぐ」、「義時の指示」についての報告と討議。
24 同「後鳥羽院の出家」、「後鳥羽院隠岐へ流される」についての報告と討議。
25 同「土御門土佐へ流される」~「六条院・冷泉宮配流せらる」についての報告と討議。
26 同「公卿達の断罪」、「武士達斬られる」についての報告と討議。
27 同「侍従助命される」~「作者の感想」についての報告と討議。
28 同「京方の残党のその後」~「後堀河天皇の即位」についての報告と討議。
29 総括。
30 予備日。

授業方法

演習形式。各担当を決め、報告とそれについての討議を行う。

準備学習

各授業時に提示された資料の再読(2時間)。次回の範囲の疑問点をまとめておく(1時間)

成績評価の方法

レポート:60%(報告をさらに発展深化できているか。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%(報告の内容。質疑応答。)

教科書

授業時に適宜指示する。