政策実務演習(公会計論)
政策決定における公会計の役割―
112-F-506

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
佐々 誠一 講師 2 M 第2学期 5

授業概要

はじめに複式簿記や発生主義あるいは連結財務諸表などの会計の基礎知識を学ぶ。次に、財政の基礎知識を学び、日本の財政の現状について海外主要国とも比較しながら具体的な数値を見て理解する。その後、これらの知識を持った上で、パブリック・アカウンタビリティーという観点から、中央政府及び地方政府並びに独立行政法人など政府関係法人の会計制度と、そこで実際に作成されている財務書類を見ていく。ここでは、これらの財務書類が、国民や政治家、官僚に対してどのような情報を提供しているのか、また、政策選択や政策評価、行財政改革との関係で公会計による情報がどのような役割を果たすのかについて考察する。

到達目標

会計の基礎知識を習得し、国や地方、政府機関等の財務書類から一定の情報を読み取れるようになる。
日本の財政状況を理解し、今後なすべきことについて、自分の意見を持ち、自ら語れるようになる。
国や地方の政策を、政策とコスト、受益と負担、有効性、効率性、経済性などの多角的視点で語れるようになる。

授業計画

1 オリエンテーション 政治と公会計
会計の基礎知識(1)単式簿記と複式簿記
2 会計の基礎知識(2)現金主義と発生主義
3 会計の基礎知識(3)会計帳簿と財務諸表
4 会計の基礎知識(4)連結財務諸表
5 公会計の意義と財政・税制(1)意義・範囲・公会計改革
6 公会計の意義と財政・税制(2)予算・財政のあらまし
7 中央政府の会計制度と会計基準(1)国の財務書類
8 中央政府の会計制度と会計基準(2)省庁別財務書類、特別会計財務書類
9 中央政府の会計制度と会計基準(3)連結財務書類、政策と公会計
10 地方政府の会計制度と会計基準(1)地方自治体の財務書類
11 地方政府の会計制度と会計基準(2)地方自治体の財政指標と財政健全化制度
12 パブリックセクターの会計制度と会計基準 独立行政法人、国立大学法人等
13 政策選択・政策評価・行財政改革への公会計の活用
14 理解度の確認―各人による具体的事例での考察、具体的データの調査
15 まとめ-各人が取り上げたテーマでレポートを作成
授業はその時に世の中で話題になっていることがあればそこに焦点を当てながら進めるので、授業内容が前後することがありうる。

授業方法

公会計が社会の中で果たす役割を理解するために、その時々の新聞・ニュース等で取り上げられた国内外の政治や財政に関する話題を、公会計の観点から切り取って分析することを織り込んでいく。国や地方の予算、政策論議など大きなテーマごとに、最初に講義で基礎的なことを学び、その後適宜、事例研究とプレゼンテーション、ディスカッションなどを交えてインターアクティブに授業を進めるので、授業では積極的に発言することが望まれる。

準備学習

学生諸君自ら、政府の政策意思決定に関する新聞報道などに興味を持ち、授業で問題提起することが望まれる。このため毎週必ず、 国や地方の予算、政策論議など政治と公会計に関連する報道記事を読んでおくこと。検索キーは、授業初めに指示する。(1~2時間)
毎週テキストを配布するが、授業ではテキスト以外のことに注力するので、テキストは自分で予習、復習として読み、不明な点はまとめて授業で質問すること。(30分)

成績評価の方法

レポート:60%(テーマ選定の着眼点、その課題に対する自分の意見、具体的な数値や事実による論証)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%(プレゼン、ディスカッションやグループ作業への積極的参加)
授業における平常点及びレポートでの総合評価。
授業内のプレゼン、ディスカッション、グループ作業について、その都度コメントしてフィードバックする。

教科書

テキストは毎回配布する。また新聞やインターネット上の情報を随時配布する。

参考文献

必要に応じて、それぞれのテーマについての参考文献を指示する。

その他

受講者には会計の知識がまったく無いという前提で、最初の4回の講義で会計の基礎知識について平易に講義する。受講者は、必ずここで複式簿記や発生主義などの会計の基本的考え方と財務諸表の見方に親しんだ上で、公会計の本論に入って欲しい。