国際開発協力論
政治学からのアプローチ―
112-F-303

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
元田 結花 教授 2 D/M 第1学期 2

授業概要

 国際開発の議論は学際的な性格を有し、極めて多岐に亘ります。その結果、「開発」および関連する概念は、様々な視点・立場から論じられることになり、何を意味しているのか曖昧なまま、議論が一人歩きしていく危険性があります。この演習では、「開発」およびそれに関連する概念を多面的に分析し、その内実を具体的な次元で語る訓練を行います。特に、開発が有する政治性に留意し、広い意味での政治学の問題として開発を捉える際に有用な概念や枠組みについて基本的な理解を確立した上で、それらをいかに実際の事例に適用していくのかを学ぶことが、この授業の主たる目的となります。

到達目標

 本授業の履修を通じて到達すべき目標は三つあります。第1の目標は、開発およびそれに関連する各種概念の多様な論じられ方を整理し、自分の言葉で説明できるようにすること、第2の目標は、広い意味での政治学の問題として開発を捉え、授業で学んだ概念を駆使して議論を組み立てられるようにすることです。後者については特に、レポートの形で、具体的な事例を取り上げ、特定の概念を用いて、政治学の議論として分析を展開できるようになることが求められます。この点と関連して、調査・情報収集やレポート執筆に取り組むに当たって必須となる、研究倫理に関する規範意識を身につけることが第3の目標となります。

授業計画

1 イントロダクション:授業の概要説明、文献の選択・割り当て
2 文献講読(1):開発途上国の政治に対するアプローチ群
3 文献講読(2):植民地支配とポスト植民地主義
4 文献講読(3):制度分析の視座
5 文献講読(4):不平等と貧困
6 レポート構想報告:テーマ設定の検討
7 文献講読(5):エスニシティとナショナリズム
8 文献講読(6):ジェンダー
9 文献講読(7):市民社会
10 レポート進捗報告:論理構成の検討
11 文献講読(8):途上国と国家論
12 文献講読(9):民主化
13 文献講読(10):ガバナンス
14 授業の総括
15 理解度の確認
 開発に関する英語文献をもとに、途上国の開発問題を政治学的な立場から分析するために必須となる各種概念についての理解を深め、当該文献から得られた情報を踏まえた討論を行います。本演習が参加者の研究活動と有機的に結びつけられるように、上記に挙げた論点を基軸として、参加者と相談の上、各自の研究テーマや問題関心の探究に資する題材を扱った文献を選択していく予定です。

授業方法

 演習形式で実施します。課題文献の報告を割り当てるので、報告者はレジュメを作成し、文献の内容・論点を整理した上で、クラスでの討論の題材を提示してください。他の受講者も、文献を読んだ上で出席し、討論に参加することになります。 
 文献講読と並行する形で、各自が授業で扱った内容に関連するテーマを選択し、それにどう取り組むのか、レポートの構想報告および進捗報告の場を設けます。これは、問題設定、分析枠組、レポートの構成、調査方法、資料や文献などについて自分の考えや見通しを整理するとともに、他の受講者のコメントを得る機会となります。構想・進捗報告を通じて得られた情報をもとに、各自レポートの執筆を進め、学期の最後に教員に提出します。

準備学習

 次の回に取り扱う課題文献については、全員が読んでくることが求められます(英語で20~30ページ程度、所要時間は個人の英語読解能力次第)。当該文献の報告者はレジュメを作成し、論点を整理・提示した上で、討論の題材を準備しておいてください(所要時間は、各自の英語読解能力次第)。
 レポートの執筆に向けては、①レポートの構想を準備し、②授業での報告を通じてテーマ設定の妥当性を吟味した上で、③各自レポートの執筆を進め、④その進捗具合を授業で報告し、そこで得られたフィードバックを考慮して、⑤最終稿を確定させる、という段階を踏みます(各作業に費やす所要時間は個人差があるので一般化は困難であるが、相応のものとなる)。

成績評価の方法

レポート:40%(構想報告の内容、進捗報告の内容、レポート本体の内容)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):60%(出席状況、割り当てられた文献についての報告内容、討論への参加姿勢)
 全体の配分はレポートが40%、平常点が60%ですが、各項目における評価ポイントごとの詳細な配分は、開講時に明示します。なお、レポートを提出しない場合は、単位の取得は認められません。
 提出されたレポートについては、採点後に希望者に対して個別に内容についての講評を提示します。

教科書

「授業内容」で示したテーマを基軸として、受講者の問題関心を踏まえて、適切な英語の課題文献を教員が適宜指定していく形をとります。

参考文献

随時、参考文献を紹介していきます。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。