生命論B
007-D-056

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期  島田 健太郎 講師
第2学期  岡野 浩 講師
4 通年 4

島田 健太郎 講師 (第1学期) 東洋の生命論

授業概要

第1学期は「つながり」をキーワードに、東洋的思惟の立場から「いのち」を考えてゆきます。大まかに言えば、東洋では自己を含めた全体とのつながり・関わりの中で、「いのち」ということを発想します。本講では、このような生命現象についての日本人の言説を軸に、中国・インドの考え方と比較検討し、その上で、生命をめぐる現代の様々な問題について考えていきたいと思っています。多少聞き慣れない話になると思いますが、これらの話が皆さんにとって単なる過去の思想的所産ではなく、現在の自分の問題として考えるための視野を広げるきっかけとなればと考えています。なお、生命論Aも同一の内容となります。

到達目標

生命の問題を、現在の自分の問題として考えるための視野を広げることができる。
東洋と西洋の「ものの考え方」の違いを理解し、生命の問題を考察するための、より大きな視点を獲得することができる。

授業計画

1 「概説」(90分)
2 古代日本人の生命観-「いのち」と「いき」-
3 古代日本人の生命観-「たま」-
4 古代日本人の生命観-「身」-
5 日本人の生命観-「身」と「いのち」-
6 日本人の生命観-「尊厳」と「人格」-
7 日本人の生命観-「子ども」-
8 日本人の生命観-「子ども」と「いのち」-
9 古代中国の生命観-「生」と「命」-
10 古代中国の生命観-「気」-
11 古代中国の生命観-「孝」-
12 仏教の生命観-生命の原初形態-
13 仏教の生命観-「因」と「縁」-
14 仏教の生命観-生命のありよう-
15 総括-「つながり」からみた生命-

授業方法

講義形式で行います。(第1学期)

準備学習

特に必要としないが、一般的な生命倫理に関する書物(新書程度でよい)を事前に読み、何が問題点となっているのか大まかな知識があると授業が聞きやすくなります(約4時間)。また授業中に何らかの辞書がある方が、授業が聞きやすいと思います。また授業後は、ノートを見ながら授業内容を思い出し、疑問点や問題点をメモしておくとよいでしょう(約30分)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):70%(論述形式。視点の独自性、文章の論理性、視野の広さなどを総合的に勘案して評価します。)
レポート:20%(問題関心の有無や位置づけ、文章の論理性、表現力などを総合的に判断して評価します。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%(授業への取り組み(出席、授業態度など)を総合的に判断して評価します。)
「生命」について、あなた自身が自分の問題としてどれだけ深く考えられているか、そしてその表現が十分な説得力を持つ形で表明されているか、という点を重視して評価します。

教科書

特に使用しません。

参考文献

授業中に適宜指示します。

岡野 浩 講師 (第2学期) 人の<死>と<誕生>をめぐる倫理

授業概要

医療技術と生命工学のめまぐるしい程の進歩は、私たちに多くの恩恵をもたらすとともに、深刻な態度決定を迫るような様々な問題にも直面させることとなった。この授業では、新たな死の形としての<脳死>や移植医療、高度な延命医療とその是非、また生殖補助医療や遺伝子操作等の問題についての基本的な理解を構築するとともに、日本及び世界の動向にも目を向けながら、様々な医療行為を通じて確保、実現されるべき<生命の質(quality of life)>、その意味について考えてゆきたい。

到達目標

本講義では特に人間の誕生と、死をめぐる医療に焦点を当て、今日の生命倫理の基本的な論点を示す具体的な事件、事例について考える事で、近い将来、恐らくは受講者の多くが直面することになろう人の命をめぐる<深刻な態度決定>に、一人の社会人として、真摯に、また冷静に向き合ってゆくために備えておくべき基本的な見識の涵養を目指したい。

授業計画

1 オリエンテーション 授業内容、成績評価などの説明
2 <生命倫理>とは何か① 生命倫理が創始された背景
3 <生命倫理>とは何か② 「人間の尊厳」と「社会的効用」をめぐる伝統的議論
4 脳死と臓器移植をめぐる問題①脳死とは何か
5 脳死と臓器移植をめぐる問題②改正臓器移植法について
6 脳死と臓器移植をめぐる問題③臓器移植医療の問題点
7 安楽死を巡る議論① いわゆる<安楽死問題>の概観
8 安楽死を巡る議論② <生命の質 quality of life>をめぐる問題
9 尊厳ある死とは何か① 一般的定義と問題点
10 尊厳ある死とは何か② <良き死>に含意されるものをめぐる問題
11 生命の誕生に関わる<人為的操作>-生殖補助医療をめぐる問題の概観
12 体外受精と代理母 科学技術の進歩と子供の尊厳との葛藤
13 いつから人間と言えるのか- ヒト胚をめぐる問題
14 遺伝子診断、着床前診断そして人工妊娠中絶をめぐる問題
15 理解度の確認

授業方法

講義形式で行います。

準備学習

授業のレジュメ、資料等は、数回分を前もって配布しておくので、それらに予め目を通し、授業の内容、方向性等について把握した上で授業に臨むこと。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):90%(短答問題を十問と、論述問題を二問出題します。特に論述問題については、どこまで説得力のある議論ができているかが評価の基準になります。)
小テスト:10%(いくつかの重要な問題について、<アンケート形式>で各自の考えを述べてもらいます。個々の問題について考えを述べる場合には、常に論拠を明確にして意見表明をするよう心掛けてください。)
この授業で取り上げる問題はどれも、受講者の誰もがその人生の中で直面する可能性のあるものばかりなので、単なるトピックとしてのみ捉えるのではなく、常に自らに引き受け、考える緊張感を持って課題に取り組んでください。真摯で、意欲的な意見表明は高く評価したいと思います。

教科書

教科書は使用しません。授業時に配布するレジュメや資料がその代りとなります。

参考文献

*参考文献については、授業時に適宜紹介します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。